福岡学生シンフォニーオーケストラ
2010年 05月 26日
今年はロシア物で、グリンカ「ルスランとリュドミーラ序曲」・チャイコフスキー「イタリア奇想曲」・ラフマニノフ「交響曲第2番」・ハチャトリアン「仮面舞踏会」<ワルツ>。4時間30分に及ぶ練習、いつもの寝不足状態のままだったので、大いに『気』を入れて、気力でやり通せるように心がけた。
今回はラフマニノフのスコアをじっくり読んだことが興味深かった。演奏時間50分にも及ぶこの曲は、譜面ズラからは中身が容易には見えて来ない。メロディーともつかぬシンコペーションの連続が、複雑な声部の絡み合いとともに延々と続く。よほどスコアを読み込んでおかないと、冗長で焦点の定まらない演奏に陥る恐れのある曲である。
ロマン派の最期を飾る巨匠と称せられる通り、ブラームスが始めた作曲の手法を極限までに厚く・深く押し広げようとしたのがラフマニノフだと言えるだろう。そこにロシアの熱い魂を込めようとしたのが、この「交響曲第2番」。詩情・情感・情熱・情念・・・「音」では無く、主情的な感情の流れに焦点をあて、そこから心の目を離す事無く演奏を進める。そこに、ロマン派がその果てに到達した世界が繰り広げられる。
<福岡学生シンフォニーオーケストラのメンバーと>