四大陸
2011年 02月 28日
フィギア・スケートと言う、日本ではどちらかと言うとマイナーな種目であったスポーツが、世界に冠たる成績を残し、国民の大きな期待に応えている。この事実を、我々は冷静に分析し、数少ない成功事例として十分に検証する必要がある。(これは今後の重要課題)
ところで、昨晩「金・銀・銅」の三人の女子のスケートを観た。確かな技術で、積極的に切り込んで行く未来ちゃんのスケーティング、若々しい才能の発露は春の息吹を感じさせて心地よい。一時期不調だった真央ちゃんも、完全復活を示すスケーティングを示すことができた。安藤美姫は、今最高の境地(世界トップ)に到達していると思う。ほとんど『芸術』の域と言えるだろう。
真央ちゃんが今後乗り越えなくてはならないのは、未だに「段取りのスケート」であることだろう。ジャンプを始めとして高度な技術を磨き上げ、バレエの身のこなしもかなり身に付いてきたのではないだろうか。しかし、それ等の技術が「段取り」と言う認識の中で組み立てられていることに、根本的な問題が隠されている。
音楽の持っている「流れ」「質感」「リスム感」「情感」の上に乗ってはいないのだ。それに合わせた「段取り」として演技していることに、<似て>大いに<否>なる世界の相違がある。ここがキム・ヨナと本質的に異なるところ。キム・ヨナは音楽の流れに乗り、その音楽にキッカケをもらって演技している、だから演技にブレが無いのだ。
安藤美姫はかなりの瞬間で、音楽と同化しはじめている。それが彼女の演技の美しさとなって現れるようになった。真央ちゃんにしても、美姫ちゃんにしても『音楽の耳』が開けば、シメタモノなんだけれど.......!