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by jmc_music2001jp

久しぶりに『音楽』を聴いた

 お盆初日の13日深夜(厳密に言えば14日だが)、NHKBSから流れる音楽に『耳』が引きつけられた。ザルツブルグ音楽祭(2011.7.29)とある、つい最近の舞台だ。演目はR.シュトラウスの「影の無い女」。

 目に映る<舞台>と<衣装>は、このところ相変わらずの<ザルツブルグ・スタイル>だが、私の耳を引きつけたのは、その<演奏>であった。オーケストラも歌も・・・放映を知らずに途中から見たものだから、始めは「誰」の作品で「何処」の舞台なのかは分らなかった。

 しかし、音楽は<R.シュトラウス>であり、オーケストラの『音』は<ウィーンフィルハーモニー>なのだ。そして、音楽そのものは、正に『ウィーンフィルのR.シュトラウス』なのである。番組情報を調べると、正にその通り!作品は「影の無い女」であった。

 R.シュトラウスは永くウィーン国立歌劇場の音楽監督を務め、彼の作品は国立歌劇場やウィーンフィルと共に生まれ育ってきた経緯がある。だからR.シュトラウスにはウィーンそのものと言った味わいがあって、今回もオーケストラの音(演奏)を聴いた瞬間に「アッ!ウィーン・フルだ」そして「R.シュトラウス」だと思った。彼らにしか出せない<音色>と<音楽>、懐かしいそれ等の音楽にすっかり幸せな気分になった。

 我々の<jmc欧州音楽の旅>は2年に1回実施してきたが、最初の4回程は必ず最後にザルツブルグを訪ねて、4日から1週間を滞在型で過ごしていた。もちろんメインはザルツブルグ音楽祭。幸せな『非日常』がそこには在った。しかしカラヤンの死後、簡略な現代風舞台装置と現代の衣装を身につけた、今日に続く演出手法に変わってから、通過都市として訪問することは在っても、ザルツブルグ音楽祭を鑑賞することは決してしなくなった。

 今晩の「影の無い女」は、相変わらずの演出手法ではあったが、余りにも『音楽』が良かった、オーケストラも歌手も指揮者も・・・。演出に疑問を感じても、その演奏の良さが心を引きつけて、疑問などどうでもよくなってしまうのだ。いい音楽を聴けて、久しぶりに心が幸せになった。
by jmc_music2001jp | 2011-08-14 02:40 | 芸術随想