第19回『日本酒を味わい尽くす会』
2017年 07月 12日
純米吟醸『灑』は案内書きに<10度がオススメ>とあり、開栓して温度を測ると11度だったので、そのままいただきました。「越乃寒梅」特有のすっきりとしたキレの良さに純米酒の旨味が乗った美味しい日本酒でした。20度、35度とお燗の温度を変えて見ましたが、20度では米の旨味が消えたように感じられ、35度では10度での印象が再び蘇り、若干「米の旨味」が厚くなって、皆も大満足の様子でした。
菊姫も11度からスタートして、25度、35度とお燗の温度を変えて楽しみました。菊姫の素晴らしいところは、どのような温度であっても正面から受けて動ずることがありません。脇がしまって動じない強さがあります。不滅の大横綱の風格と言えるでしょう。今、これほどの『本当に偉い人』は居るのだろうか・・と言う思いに駆られます。日頃のニュースで目につくのは、大阪の国有地の払い下げや「忖度」云々、岡山の獣医学部新設にまつわる政局の展開等々・・政党の追求やマスコミ報道も含めて、所謂<雑魚>の大騒動ばかりを見せ付けられている思いがします。
菊姫を呑むといつも『わからん奴は呑むな!』と一喝されたように感じます。一時期日本酒が売れない時代があって、蔵元は女性に受ける味を追求し、消費者に擦り寄る努力を続けてきました。それは企業努力であり否定される事ではないのだけれど、そんな風潮の中にあっても、菊姫は己が『うまい』と信じる酒造りに邁進した。それが『味』に現れて・・<見事>と言うか<天晴れ>と言うか、そんなヘナチョコな言葉なぞは弾き飛ばしてしまう程の圧倒的存在感です。
<第19回『日本酒を味わい尽くす会』>