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by jmc_music2001jp

バルセローナ、ガウディにこだわる〝わけ〟

 前回スペインを訪れたのは2008年のことです。バルセローナ・セリビア・カルモナ・グラナダ・マラガ・ミハス・マルベーヤと旅をいたしました。バルセローナではガウディの足跡を辿ってサグラダ・ファミリア聖堂、カサ・ミラ、カサ・ビセンス、グエル公園などを訪れました。

 サグラダ・ファミリアはまだまだ<工事中>の有様で、ほんの一部のステンドグラスが完成した状態、しかしその深い藍色に心奪われる思いがしました。「完成に近づいたら必ずまた来るゾ....!!」と心の中で呟いたことを覚えています。工事の足場が天井まで組み上げられた聖堂でしたが、天井までそそり立つ何本もの柱が<草の茎>のように見えて、「地面を這って歩く虫達が空を見上げたら、こんな風に見えるだろう....」と思いました。

 一番深く印象に残ったのは『コロニア・グエル教会堂』です。この教会は、制作途中でサグラダ・ファミリア建設に取り掛かったガウディが、未完成のままに残した教会堂です。しかしこの聖堂をみて、強く心を動かされました。「これはただ者では無い!」ガウディの信仰心が『本物』で、彼の『魂』が見ていたものが、観る者の魂に食い込んできます・・・これは『本物』だ!

 人生で『本物』を感じさせられる事物は本当に少ない(もちろん自分の未熟さが原因で、気づかずに通り過ぎている場合もあるでしょうが....)と思う。東山魁夷の唐招提寺の襖絵や日本の山々、流れ落ちる滝の日本画を観たとき、背後に(人に恐れを感じさせる)『神』の存在を観ました。人を救ってくれる仏様ではなく、人間が恐れおののく存在としての『神様』。

 ガウディの魂が感じ取った『神=創造主』は、宇宙の中心に<厳然>と<圧倒的な質量>として存在する。そのガウディが一生をかけて取り組んだサグラダ・ファミリアには、どのようなメッセージが込められているのだろう?あれだけ大きく光を取り込んだステンドグラス・・・早朝、昼間、夕方、夜と異なる光の中に、様々なメッセージが込められているに違いない・・・これが今回、私がガウディにこだわる理由です。
<2008年、コロニア・グエル教会堂>
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by jmc_music2001jp | 2017-08-26 12:53