クラシック音楽、jmc音楽教室、音楽企画制作、音楽普及活動、青少年健全育成、メールはkeizo@ohata.name宛


by jmc_music2001jp

<   2016年 08月 ( 4 )   > この月の画像一覧

追悼、中村紘子

 外は雨。台風の影響だろうか、夜になると涼しい風が吹いて、秋の気配が感じられる。今晩の「題名の無い音楽会」は、先日亡くなられた中村紘子さんの追悼番組だった。

 番組の最後はベートーベンのピアノ協奏曲「皇帝」1楽章。紡ぎ出される全ての『音』が、《中村紘子》という存在の『核』から発せられ、劇場の空間に明確な音像を結んでいた。中村紘子を直接的には知らない全ての人(聴衆もTVの視聴者も)が、音楽を接点として《中村紘子》という本質の『生きた証』を記憶に留めることになった。

 東京交響楽団もソリストの名演に答える素晴らしい出来であったと思う。日本もすでにこのような音楽家が存在する時代を迎えているのだ。戦後の桐朋学園の「子どもの為の音楽教室」が生んだ代表的な音楽家の一人が亡くなられた。

 日本の音楽界が次の新しい時代へと移行する....まだ見ぬ未来の、そんな予感さえする雨の夜...。

[PR]
by jmc_music2001jp | 2016-08-29 00:38 | 芸術随想
 “jmc欧州音楽の旅2016“のDVD-Vol4はザルツブルグの記録。完成したDVDを観て想った。1979年、私が初めてヨーロッパの地に立ったのがザルツブルグで、その時私の心に深く印象付けられた“ヨーロパそのものの印象”が、そっくりそのままDVDの画面に収録されていることに気がついた。

 日本に生まれ育ち、海外を全く知らなかった私が、初めて触れたヨーロッパ。ザルツブルグでの3週間は、当然のごとく全てが《初めて》の体験だった。教会と祈る人々、パイプオルガンの壮大な響き、鐘の音、緑の木立、囀る鳥の声、肌に触れる空気と木の葉のざわめき、メンフィスの丘の散策の果てにたどりついたノンベルク修道院、そして偶然に出会った“夕べの祈り”......。

 真っ白な“吸取り紙”が、その奥深くまで此れ等の体験を吸収していったように思う。それらは37年経過した今も、未だ生き生きと鮮やかに蘇ってくる。・・・これが「ヨーロッパ」なのか・・・こうして私の留学生活が始まった。

 「日本人クラシック音楽家の為のマネジメント」を確立させないと、日本はこの先へは進めない・・・これが留学で得た私の結論だった。1982年に帰国して『一から勉強』を始め、株)ジェイエムシー音楽研究所を創立したのが1989年(平成元年)。以後、研究や実験、ノウハウの集積を積み重ねてきた。2016年、今やっとこれからの時代を踏まえての処方箋に見極めが付き、7月からその取り組みを始めている。

 帰国以来、周りの人達から《ヨーロッパ》に連れて行って欲しい声が上がっていたが、平成元年に研究所を設立したのを区切りに検討を始め、第1回目を実施したのが平成5年であったと思う。プランの下敷きとなったのは、当然のごとく私が“心で感じたヨーロッパ”。文化や自然、芸術、味覚、感性の違いなど、私の心に強く焼き付けられた印象を、9日〜2週間の短い時間に体験を通じて感じ取ってもらう・・・その為に様々な要素を旅程に組み込んで実施してきた。

 今回、ザルツブルグのDVDを観て、37年前の印象がそのままに生き生きと再現されている事に気付いて、本当に新鮮な驚きを覚えた。しかし、これまでの経緯を振り返えってみれば、それも極ごく自然で当然の結果と言えるのかもしれない。
<ザルツブルグ、モーツアルトの故郷>
d0016397_17423390.jpg
 

[PR]
by jmc_music2001jp | 2016-08-23 17:45 | 芸術随想
 8月21日(日)は《jmc欧州芸術と自然の旅2016》参加者の《懇親会》が開催されます。帰国から2ヶ月半、旅の余韻を共有し、親睦を深めようと思っています。東京のご夫婦と、山旅をすでに計画していた福岡の1名を除いた10名が参加、それにかつての旅行にご一緒した方から、ご希望のあった5名が飛び入り参加なさいます。

 旅行のDVDは昨晩(深夜)に完成させました。これで一段落、ホッとしています。今回のビデオ編集は前回のフランスより少しだけスムースに進んだように思います。何しろ前回は1ヶ月半の間、外出もせずに編集に没頭したわけですが、今回は約1ヶ月で完成させることができました。それでも278カットを編集、「ワルシャワ」「ウィーン」「ザルツカンマーグート」「ザルツブルグ」全4巻をそれぞれ60分以内で編集しなくてはなりません。随分と苦労した部分もありましたが、旅そのものを彷彿とさせる良い作品に仕上がったと思っています。
<DVD.Vol.1「ワルシャワ」、Vol.2「ウィーン」>
d0016397_1435545.jpg

<DVD.Vol3「ザルツカンマーグート」、Vol.4「ザルツブルグ」>
d0016397_14372280.jpg

[PR]
by jmc_music2001jp | 2016-08-18 14:37 | 音楽企画制作
 今日のNHK朝ドラ「とと姉ちゃん」、次号の特集<小麦粉料理>《ホットケーキ》編集作業の最終チェック。経理担当の男性(料理は全く不得手)に、原稿を読み聞かせて《ホットケーキ》を作らせるテストを実施。その結果「言葉というのは、受け止める人によって大きく誤差が生じる」との認識に至り、より正しい理解を得るために作業過程を細かく「写真」で伝える方法を採用する。これは当時(70年前の終戦直後)では画期的手法で、雑誌「あなたの暮らし」は大当たりした。

 物事を不特定多数の人に正しく伝える難しさは今も変わらないだろう。我々が関係する音楽の分野では、未だに20世紀の書籍文化の領域を抜け出してはいない。一方、レコードが発明され、テープレコーダー・CD・ビデオ・DVDと新しいハードウェアの範囲内での新たな展開は見せたものの、それぞれのハードウェアの特性がそのまま制約を生んでいるのが実情で、もう一歩全てのメディアを統合化して新たな世界を切り開くことは出来ていない。

 2010年にAppleがiPadを発売したことで、世界中で電子書籍ブームが始まった。アメリカではすでに一般書籍の刊行数を電子書籍が超えてはいるが、日本ではまだまだこれからと言う状態だ。かつてのソニーの「β」とビクターの「VHS」のように、複数の会社が自社のハードウェアをスタンダードにしようと競っていて<三すくみ>状態に陥っているのだ。

 電子書籍が社会のスタンダードになるには、ハードウェアとソフトウェアの進歩と融合が不可欠である。マルチメディア技術が進歩して、それらをストレス無く操作できるハードウェアが生まれて初めて新しいメディアが誕生したと言えるだろう。そもそも書籍文化のイメージを土台にして、小説・漫画・新聞を『読む』という発想でハードウェアを開発しているようでは、飛躍は到底望めない。

 最近のニュースでインテルが「テレビに差し込むだけで家庭のテレビがパソコンに変身する」という商品を発売したが、これは大きなニュースだと思っている。家庭のテレビとパソコンが融合する時代が来れば、大きな地滑りのように社会構造に変化が起こる・・・と十数年前から睨んでいた。やっとそんな時代を迎えようとしているのではないだろうか?
[PR]
by jmc_music2001jp | 2016-08-06 01:42 | 芸術随想