国宝『阿修羅』展
2009年 09月 28日
展覧会最終日しかも日曜ということで、さすがに多くの人が訪れています。小さな子ども連れのお母さんや、若いカップル、連れ立った中年のおばさま達....いずれも地味で落ち着いた常識ある人達・・・と言う印象でした。きゃぴきゃぴのギャルや、ハッ!...とさせられるような美女は見かけなかったようです。皆さん地味で落ち着いて、地に足つけて人生を送っておられるような方々という印象を受けました。このような展覧会に、このように沢山の人が集まって来て......素晴らしいことだなと思います。
興福寺創建1300年・・・展示物はその歴史の重みを感じるに十分な、重量感あふれるものでした。大したものです、精神の核に積もり積もった『澱』のようなものに触れた気がいたしました。1300年.....此れ等の仏像を前にした日本人は、何を想って生きて来たのでしょうか....。
戦いに明け暮れていた阿修羅は、<金鼓>の音を聞いてこれまでの生き方に空しさを覚え、お釈迦様にそのことを相談すると、『懺悔』すれば救われると教え諭され、それ以降「お釈迦様」と「仏教」を守る守護神となることを決心した・・・・・このような説明が、イラスト漫画によって解説されていて、そこには多くの人だかり。このように、国立博物館というオカタイ印象とは違ったアプローチを見せてくれるのが、九州国立博物館が人々に親しまれている一因だと思います。
『阿修羅』像は美しい少年を想わせます。遠くを見つめ、僅かに憂いを含んだ正面の顔は、生きる上での覚悟を『祈るしかない』....と想い定めた、その魂の現れであるかのように・・・・私に目に、映りました。
<国宝『阿修羅』展の会場入り口で・・>