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by jmc_music2001jp

H.パーセル『妖精の女王』<グラインドボーン歌劇場>

 BSで世界のオペラ座の演目が紹介されることは嬉しいことだ。昨晩もイギリスのグラインドボーン歌劇場での公演、ヘンリー・パーセルの歌劇『妖精の女王』が放映された。全部をゆっくり鑑賞することが出来ず、仕事の合間をみての鑑賞となったのが残念ではあるが、中世の衣装を着用した女性のアリアの後に、<つなぎ>姿の現代の職人が出てきたので(又か!と思い)興味を引かれた。

 ところが観てゆくうちに、この「演出の意図」が分かると、さらに一層興味を引かれることになった。17世紀の作曲家の作ったこのオペラは、「アダムとイブ」の昔からの《人類永遠のテーマ》=『男・女』『愛・結婚』について、中世から現代に至る幾代かの衣装を登場させつつ舞台を進行してゆく。

 この演出は完全に成功していた。幾代かの衣装を交差させることで「人類、今も昔も同じよね...」が浮かび上がる。<妖精><悪魔><婚礼の神>・・・人類<男女>の歴史の繰り返しは同じであっただけに、この時代を交差させた演出は面白く、観客を納得させる。・・・「ソウよねェ〜、変わらないよネェー、キッと!」

 様々な時代の衣装を着た人々が結婚式のお祝いに集まる。結婚した二人を担ぎ上げるのは悪魔の妖精。お祝いの舞踏を踊るのは黒尽くめの舞踏団。二組の新婚を踊りに誘うのも悪魔の妖精・・・パーセルの時代の衣装だけによる演出であったなら、むしろ印象は薄っぺらなものとなったであろう。時代を交差させることで、《テーマの永遠性》を浮かび上がらせることに成功した。演出はJ.ケント。

 
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by jmc_music2001jp | 2010-03-08 15:02 | 芸術随想