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by jmc_music2001jp

東京・丸の内の“野菜”

 21日(月)22日(火)は、一泊で“東京とんぼ返り”の忙しい旅だった。Lebens Mai 例会の翌朝は、5時30分起床。7時5分福岡空港発の羽田行きで上京。一泊しただけで、翌日20時羽田発で福岡に戻るという慌ただしさ。

 慌ただしさの中にも、二つほどイイことがあった。初日の夕食を、久しぶりに神奈川に住む息子と共にしようと思い、場所を何処にしようと迷ったが、高校同級生のメール・リンクで、しばしば話題に上がっていた『富士屋ホテル』が頭に浮かび、友人に電話して教えていただいた。

 友人2人の名を上げて、マネージャーに予約を入れた。店はホテル直営の料理屋で、場所は営団地下鉄<霞ヶ関>に出店されている。予約時間に到着すると、店内はすでに客で一杯、大変に賑わっていた・・・と、案内されたのは静かな個室....先ず、これに驚いた。

 料理は一流で、大変満足。料理も酒も美味で、大いに満たされた気分になったのだが・・・それにも増して驚かされたのは『シルクの感触のような心づかい』・・・これぞ“一流の証”と感服した次第だ。一番美味しかったのは『心づかい』であったように思う。

 翌日、もう一つ嬉しいことがあった。帰りの飛行機まで時間があったので、東京丸の内の<新丸ビル>で買い物をして、夕食をとることにした。ところが、夕食は5時からオープンと言う店がほとんどで、買い物を終えて4時過ぎの時点では営業している店はほとんど無い。<丸ビル>に行こうか・・とも思ったが、結局は少々時間をつぶして「野菜」にこだわった日本食の店に4時30分頃に入ることにした。

 無駄な飾りのない、落ち着いた色調のインテリア。ガラス張りの窓からは、夕暮れの丸の内。静かで落ち着いた雰囲気が気に入った。運ばれたメニューを見ると、「野菜」にこだわった店ということが伝わってくる。<ごはん>に<みそ汁>に<香の物>で一つのメニューとなっているからには、余程<ごはん>にも<みそ>にも<漬け物>にもコダワリを持っているのであろう。

 <野菜サラダ>と<茄子の挟み揚げ><根菜の煮物>に先ほどの<ごはん>、量が分らないので先ずはこれくらいにして、生ビールを一杯所望・・・・先ず、出て来た生ビールの『泡』に(思わず)<感嘆>の声を上げた。クリーミーで細かい泡は、正にプロの技である(アンタは偉いッ...っと心の中でツブヤク...)。ぶつ切りのキュウリに梅肉のドレッシングを和えた<突出し>も、ビールと微妙な調和を醸し出している。

 最初に現れた<野菜サラダ>を見て、注文はコレで十分・・・と思った。予想を遥かに上回る量なのだ。そしてその「野菜」を食べては『唸る』ことになる。一つ一つにこれ見よがしの派手さは無いが、シッカリとした『存在感』を持って生きているのだ・・・客に媚びる様子はまるで無く、黙々と『自分』を生きている・・・『本物』とはこう言うコトを言うのだ・・・と思った。此れ等の「野菜」は、毎日長野県から送られてくる、とのことだった。

 <ごはん>は「こしひかり」で、食後にも長く(・・・今でも)『香り』が残ることが特筆される。その「香り」によって「自分の命」が清められるような気分になるのが、なんとも不思議だ。<みそ汁>は「あさり」に「白ネギ」が薬味で刻まれていたが、これは何と言っても『味噌』のコダワリにつきると思った。「あさり」も「白ネギ」もどこかに消えて、「味噌」が黙って立っていた.......と言った風情。小皿に盛られた<香の物>も、一つ一つがナカナカの物である。<根菜の煮物>も同様、一つ一つが・・・黙々として『本物』であった。

 東京のど真ん中、丸の内で『野菜の本物』と出会おうとは、予想だにしなかったこと。心の真ん中に、ズシンと確かなものを感じさせられた。野菜一つに、『本物』を作ろうとしている人が、この日本に居ると言う事実だけで、大きな勇気をもらったような気持ちになる。


 
 
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by jmc_music2001jp | 2011-02-25 03:41 | 芸術随想