“X`masコンサート”2011
2011年 12月 25日
通常の発表会としての意味合いがメインなのは言う迄も無いコトですが、もう一方で《家族との絆》ということも大切に考えています。親子連弾が二組ございました。音楽を通じて親子の『絆』が強くなることは、音楽の本来の役割からしても、大いに歓迎されます。今回、こんな事もありました。演奏会後の片付けも終わり、最後まで残った社会人のご夫婦(奥様がコンサートに出演)から、「聴いて欲しい」との申し出がありました・・・・初めて夫婦で連弾を練習した・・との事。我々夫婦でピアノの前に2席を設え、演奏してもらいました。奥様が第2ピアノ、旦那様は右手一本の第1ピアノです。旦那様は<真剣そのもの>でしたが、二人でとても楽しそうに演奏なさいました。
<夫婦連弾>か......これまで気が付かなかったのはウカツでした!何と素敵な事でしょうか!「楽しいですよ」・・・嬉しそうに話すご夫婦を見て、是非この次の機会に発表会の舞台で演奏して欲しい・・・と思いました。『音楽』の果たせる役割の、大きな一つがココにあります。
ピアノ・ヴァイオリン独奏、親子連弾、音楽物語の『詩』(谷川俊太郎)の朗読とピアノ連弾。今回のもう一つの大きな収穫は<詩の朗読>と<音楽>のコラボレーションでした。谷川俊太郎が醸す「詩の空間」とサン=サーンスの音楽の持つ「音楽の空間」が響き合い、新しく更に大きな空間を産み出す・・・その空間が聴衆を含む全ての人を包み、大きな共感が生まれる・・・これは新しい発見であり、大きな体験であったと思います。
終演後の挨拶で今回の試みについて少し触れますと、観客から強い拍手が沸き上がりました。実は23年やってきて、私自身へ向けた拍手を感じたのは今回が初めてです。この企画の<狙い>と<意味合い>を、演奏と朗読から感じ取っていただけたからでしょう。これも谷川俊太郎の『詩』の力によるところが大きいと思います。
<朗読とピアノ連弾、音楽物語「動物の謝肉祭」>