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by jmc_music2001jp

今こそ取り戻そう!《日本の忘れ物》

 終戦後1970年代までの経済成長期は、「読み、書き、計算」が出来、命じられたままに仕事をこなす労働者が求められました。ペーパーテストに高得点をとって、「一流大学→一流企業→幸せな一生」がこの時代の描く理想的な人生設計でした。学習塾が隆盛を極めたのも、この時期です。

 1980年代に入ると、成熟社会に向けた教育の転換が検討されはじめます・・・「ゆとりの時間」の導入です。「自分の頭で考え、付加価値を創造する力」を持った人材の育成を目指す・・・ハズでした......。しかし、小中学生の(ペーパーテストの)学力の低下や、大学生の知識レベルの低下が報告されるようになると、今また<授業時間>増加や<土曜授業>を検討する動きが始まっています。

 一方で、「ゆとりの時間」が目指した<自分の頭で考え、付加価値を創造する力><問題解決能力><発想力><洞察力>を身に付ける教育の重要性は変わらない、と言う意見も根強く残っています。「ゆとり教育」の旗ふり役だった寺脇研(元文部官僚)氏や尾木直樹氏も未だにそのような発言を繰り返しておられるようですが、はたして「ゆとりの時間」で、いったい彼等が何をやって来られたと言うのだろうか?必要性については諸手を上げて大賛成なのですが、<どのようにするべきなのか>の根拠について、また根拠に基づいて<どのような方法手段で行うべきなのか>について、明確な指針を示してこられたのだろうか?・・・そんな部類の話は一つも聞こえてこなかった様に思います。

 私の記憶にあるのは、「皆で考えましょう」・・・と言う空気だけが教育界に漂っていて、一番馬鹿げたヤツは「地域のカラオケ店と連携して、子供達がカラオケが出来るように取り決めを行う」・・・というモノさえあったと言うことです。

経営コンサルタントの大前研一(日本マッキンゼー元社長)の<問題解決法>によると「ステップ1」では論理的思考により<本質的問題>を発見し、「ステップ2」では<直感>や<想像力>を働かせ、右脳と左脳の情報交換をフルに行って<誰も気づいていない答え>を見つけ出すこと。「ステップ3」では人をどう説得し、どう動かすか・・・ここでも右脳型思考がカギとなる・・とあります。

 先に述べたペーパーテストは左脳型の思考の優劣を計るもの、これからの日本の更なる発展は<右脳型思考>にかかっているとこは明らかです。政治家や学者・役人の口から『右脳』が唱えられないのは何故なのでしょうか?全く不可思議の一言です。やっている事を見ていると、相も変わらず戦後復興期の発想基盤に立ったままの状態であり、《悲しいほどに滑稽》な有様であると言わざるを得ません。

 室町時代以降、日本の武将の教養として最も重視されたものの一つが『能』。それぞれの武将が能楽師をかかえ、第2次大戦までの間においては、謡曲は多くの日本男子の教養の一つでもありました。敗戦によってアメリカナイズの波は大津波のように日本の社会を洗い流しました。そして平成の現代に至るまで、その様相は変わりません。

 日本人が世界に誇れる優秀な民族であれた原因について、かねてより私は二つのことに注目していました。その一つが『能楽』です。能を鑑賞し、十分に味わい楽しむには<教養>が求められます。演目の背景や伏線となる物語などへの共感なくしては「能」を<楽しむ>ことは難しい。シテ方の限界までに削ぎ落とされた所作と鑑賞者との間を埋めるものは、鑑賞者が身につけた教養に他なりません。鑑賞者側からの『積極的な想像力の働きかけ』があって初めて、能の味わいと面白さが生まれでる・・・これが『能楽』と言う世界遺産の芸能の<仕組み>であります。

 日本民族は『能』と言う芸能によって、イメージ脳である『右脳』を伝統的に鍛えられてまいりました。これが知力としての日本民族の優秀性を支えてきたのです。今一番求められている教育は<右脳を鍛える>プログラム。日本の持つ伝統最強のプログラムが、『能』に他なりません。jmc音楽研究所の電子書籍<フィールヴェーク>は、<能>と言う高度に洗練された芸能を、日本の子供達との間において橋渡しする為のツールとして、必ずやその力を発揮してくれるものと信じています。

 すでに三つ程<普及プログラム>案を準備いたしました。これを専門家や学者の皆さんに提示して、議論の叩き台になればと願っております。議論の結果、どのような展開になろうとも、<フィールヴェーク>は確実に何等かのお役に立てることだけは間違いありません。日本の為にお役に立てるなど・・・こんなに嬉しいことがありましょうか。

 
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by jmc_music2001jp | 2013-03-14 01:43 | 芸術随想