第8回「日本酒を味わいつくす会」
2015年 03月 21日
『萩乃露』は<冷や>から始めて、室温から35℃までの変化を楽しみました。<酒のうまみ>を味わうには35℃、体温よりほんの僅か低い温度がよろしいようです。『菊姫』は酸味のきいた「どっしり」とした風格で、<冷や>で飲むと<無骨で気難しい男>を感じさせます。その酒を35℃、40℃、45℃と5度刻みで燗の温度を上げ(ここでデジタル温度計が活躍)てゆくと、温度毎に表情を変えて行く様が、何とも面白いのです。
今回は<お燗>にも工夫をこらしました。<お銚子>を4本準備してもらい、2本をテーブルに出して、残りの2本は(燗をつける)<かんぴん>と一緒に<やかん>に突っ込んで、燗がつくまでの同じ時間で<お銚子>を暖めることにいたしました。そこに燗をつけた酒を注げば、同じ温度を保つのに好都合・・・コレは成功だったと思います。前回、燗つけ→お銚子→盃と注ぐうちに、急激に温度が下がってしまうのを経験したのが理由で、なるだけ狙った温度を保つ為の一工夫です。
このようにして、楽しいひと時を過ごしました。いい酒は、燗の温度ごとに異なる表情を示しながら、いずれもが『きちん』とした姿であることが、強く印象に残りました。この点で『菊姫』に勝る酒は無いように思います。
<乾杯の前に恒例の記念撮影。10名が参加した今回の会>