ついに発見!“コロラトゥーラ”の歌唱技術
2015年 12月 18日
一般に声楽家の指導を受けた場合、先生が手本を示して歌い、生徒はその真似をするようにして声を出す・・いわゆる(動物・人間に本来備わっている)<まねぶ>と言う根源的な学習方法を用いている。引退した往年の名歌手が本にして残したものを読んでみても、歌っている自分が『何となく感じていた感覚』をそのまま言葉にして著している。昔よく聞いたのが<高音を頭頂のテッペンから>上方に出すと言った表現だ、勿論頭のテッペンから声が出る訳ではなく、そのように<感じる>と高音が出やすいと言う訳だ。具体的に『ドコ』が『どうなって』その結果が得られるのかについては全く書かれていない。
<息の支え>に関わる具体的な筋肉、<共鳴>に関わる具体的な身体の部位、声が良い状態で響いている時の<息の支え>と<声帯>と<共鳴>の関係。<音程>を決定する身体の部位、音域別の<声帯>の振動形態と身体の部位の働き、<母音><子音>を決定する要素、歌詞の<言葉>を明快で具体的意味を持つ言葉として認識させる要素と身体の部位の働き、言葉の<リズム>を決定づける要素と具体的な部位の働き、<表情>の表出に関わる部位と<心を伝える>しくみ・・・等々だ。
ほぼ全てについて解明したのだが、ただ一つ『コロラトゥーラ』(メリスマ)の技術だけが解明できないままでいた・・・最期のテーマとして抱えて、15年が過ぎたと思う。
それが、数日前の朝・・・ベットに横になった状態で・・・15年来の課題が<具体的な身体の部位の動き>として立ち現れてきた。十分程その状態で横になっていたが・・・『コレ』に違いない!と思って起き上がり、1階の所長室に入ってパソコンを立ち上げ、図解入りで書き記した。
翌日、生徒のレッスンで実際に試したが、はたして細かい音符の粒が明瞭になってハッキリと聴き取れる!・・・嬉しかった、15年来の懸案だ。15年来、常に頭の片隅に置き続けてきた<課題>に、やっと<解>が得られた。