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by jmc_music2001jp

『泉』 “次代への贈りもの” (1/4)

「音楽元年」 音楽の夜明けを求めて・・・・         (1/4)
   (株)ジェイエムシー音楽研究所代表取締役社長 大畑惠三

 日本は欧米の技術を導入し、改良を加えることにより、安くしかも優秀な製品を輸出してきた。しかし一九八七年以後の円高及び東南アジア諸国の追い上げを期に、日本の産業界にも変化が現れはじめる。基礎研究の重要性が唱えられ、以後急速にその方面の充実がみられるようになった。以前には考えられない現象である。基礎研究は欧米にまかせ、その結果出来上がった製品の真似をして、さらに改良を重ねるというのが日本の方法だったのである。

 平成元年。時代は正に変わりつつある。二十一世紀を目前に、日本人に真の独創性、創造性が求められる時代になった。バッハ、モーツアルト、ベートーベンに続く大作曲家。文豪、詩人、哲学者....十八・十九世紀の西欧文明は人類に不滅の遺産を残した。二十世紀はアメリカの時代。アメリカ文化の底力に匹敵する二十一世紀の日本文化は果たして誕生するのだろうか。

 私が桐朋学園音楽科に入学したのが昭和四十一年(一九六六年)、東京オリンピックを成功のうちに終え、大阪万国博覧会を数年後に迎えようとする時期だった。音楽の留学生は非常に少なく、海外の音楽情報も十分に入ってこない時代。欧米の楽壇は遥か高みに感じられ、教師から生徒に至るまで咽から手がでる思いで本場の演奏技術を求めたものだ。それは、どこか産業界の様子とも似ている。
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by jmc_music2001jp | 2016-01-13 15:41 | 芸術随想