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by jmc_music2001jp

“jmc欧州芸術と自然の旅2016”Vol.3

 23日は夕方まで自由散策。ウィーン市内の建築物の調査を行う建築家と、観光馬車に乗ってウィーン市内を巡ることにした各1名を除いて、他のメンバーはハイリゲンシュタットの『ベートーベンの散歩道』を散策するコースに。一部の人は30分早く出発して、オットーワーグナーの建築を数カ所見学した後に、ショッテントゥアーの電停で待ち合わせて、合流いたしました。

 当日は月曜日で市内の観光施設の大半は休館日。わずかにベルベデーレが開館しているので、散歩道の後でベルベデーレに立ち寄って<クリムト>の作品を鑑賞することにいたしました。ハイリゲンシュタットの深い森の中を散策、小川のせせらぎの音、力強い野鳥の鳴き声、梢の葉をゆらす風、散歩道に揺らめく木漏れ日....ハイリゲンシュタットの森の空気を胸の奥深くまで吸い込んで、身体の奥の奥から満たされる想いがいたしました。

 夜はウィーン国立歌劇場でベルディ「椿姫」を鑑賞。主演は現在世界No.1の注目をあつめる、ソプラノのアンナ・ネトレプコ。予想外の驚きだったのは、お父さんにプラシド・ドミンゴが出演していた事。本来テノールであるドミンゴですから、声質はバリトンでは無いのですが、流石の名優の表現力に、お客さんは大喜びです。私のすぐ後ろの席に四国から「ドミンゴの追っかけ」をしていると言うご夫人が居て、休憩時間に興奮して話をなさっていました(....<ドミンゴの追っかけ>ネェ....この情熱を日本の音楽家の為に注いでくれたらネェ....心に中でツブヤイテおりました....)。

 舞台はネトレプコの歌唱力が起爆剤となって、凄まじいほどの圧倒的な演奏となりました。劇場の全て、歌手もオーケストラも指揮者も演出から照明・舞台装置に至るまでが一丸となって、まるで奈落の底のブラックホールに飲み込まれるがごとき凄まじい演奏です。これがヨーロッパの本当の一流がなせる技で、『ヨーロッパの本当価値』がここに在ると断言して良いでしょう。

 終演後はオペラ座の隣の王宮の植物園にあるレストランで、白ワインとカルテ・シュパイゼで簡単な夕食でしたが、ここの料理の味覚にある種の格調の高さが感じられて、印象に残りました。食事中に突然の雨!タクシーを呼んでもらってシュテファン教会裏のホテルまで運んでもらうと言う、ハプニング付きの一日でした。
<ベートーベンの散歩道にて>
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by jmc_music2001jp | 2016-06-03 01:19 | 音楽企画制作