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by jmc_music2001jp

とと姉ちゃんの“ホットケーキ“

 今日のNHK朝ドラ「とと姉ちゃん」、次号の特集<小麦粉料理>《ホットケーキ》編集作業の最終チェック。経理担当の男性(料理は全く不得手)に、原稿を読み聞かせて《ホットケーキ》を作らせるテストを実施。その結果「言葉というのは、受け止める人によって大きく誤差が生じる」との認識に至り、より正しい理解を得るために作業過程を細かく「写真」で伝える方法を採用する。これは当時(70年前の終戦直後)では画期的手法で、雑誌「あなたの暮らし」は大当たりした。

 物事を不特定多数の人に正しく伝える難しさは今も変わらないだろう。我々が関係する音楽の分野では、未だに20世紀の書籍文化の領域を抜け出してはいない。一方、レコードが発明され、テープレコーダー・CD・ビデオ・DVDと新しいハードウェアの範囲内での新たな展開は見せたものの、それぞれのハードウェアの特性がそのまま制約を生んでいるのが実情で、もう一歩全てのメディアを統合化して新たな世界を切り開くことは出来ていない。

 2010年にAppleがiPadを発売したことで、世界中で電子書籍ブームが始まった。アメリカではすでに一般書籍の刊行数を電子書籍が超えてはいるが、日本ではまだまだこれからと言う状態だ。かつてのソニーの「β」とビクターの「VHS」のように、複数の会社が自社のハードウェアをスタンダードにしようと競っていて<三すくみ>状態に陥っているのだ。

 電子書籍が社会のスタンダードになるには、ハードウェアとソフトウェアの進歩と融合が不可欠である。マルチメディア技術が進歩して、それらをストレス無く操作できるハードウェアが生まれて初めて新しいメディアが誕生したと言えるだろう。そもそも書籍文化のイメージを土台にして、小説・漫画・新聞を『読む』という発想でハードウェアを開発しているようでは、飛躍は到底望めない。

 最近のニュースでインテルが「テレビに差し込むだけで家庭のテレビがパソコンに変身する」という商品を発売したが、これは大きなニュースだと思っている。家庭のテレビとパソコンが融合する時代が来れば、大きな地滑りのように社会構造に変化が起こる・・・と十数年前から睨んでいた。やっとそんな時代を迎えようとしているのではないだろうか?
by jmc_music2001jp | 2016-08-06 01:42 | 芸術随想