Business Hit Chart 2016年度版(2016年9月7日/初版)
2016年 09月 21日
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【日本人がクラシック音楽を魂で受け止める
そんな時代に向けて情熱を注いでいます】
代表 大畑恵三さんは、クラシック音楽の普及に尽力。現在SNS「音楽仲間」「家庭音楽会」を立ち上げ、音楽愛好家、楽器演奏者が互に音楽を分かち合える環境作りを目指している。
《魂の自覚を促す、音楽教育への情熱》
今、私たちの生活の中にはテレビ・ラジオ・演奏会を通じクラシック音楽が満ちている。しかし日本人はクラシック音楽を自らの血肉として魂でとらえていると言えるだろうか。舶来ものとしてありがたがっているだけの時代はもう終わりにしたい。
西欧世界においてクラシック音楽は教会の中で産声をあげ1400年の成長の歴史を刻んできた。明治維新の「脱亜入欧」政策で西洋音楽を取り入れた日本は、未だ140年とその歴史は浅い。
「jmc音楽研究所」代表大畑恵三さんはいう。
「西欧は「キリスト教文化圏」であり、気候も「西岸海洋性気候」「地中海性気候」で、「仏教文化圏」「モンスーン気候」である日本とは異なります。そんな風土や文化の土壌の違いは、感性や人格形成の差異にもつながってくるでしょう。例えば私がウィーン留学中、ある日の指揮のクラスで教授がシューベルトの緩徐楽章についてこんな説明をしました。「この曲はウィーンの森で木々を見上げながら散策をしているのだ」と言って、手を顎にあてがって木々の梢を見上げながら歩く様子を見せてくれました。私も現地でその空気や様子を体感していたので「正に、その通り!そのものズバリ!」内心感嘆の声を上げ、ウィーンの雰囲気とシューベルトの音楽の完全な一致に驚いたものでした。音楽は音と心の間の共鳴関係で成立する芸術。シューベルトの音楽は私の中で、ウィーンの森の風景を呼び覚ましてくれたのです」
シューベルトはこの曲をウィーンの森の雰囲気を描写する目的で作曲したのだろうか。だとするとウィーンの雰囲気を知らない日本人がシューベルトの音楽を聴く意味はあるのだろうか。
「そうではありません。創造主が造り賜うた自然に対峙する「自分」という存在の不思議。シューベルトの目はそこに向けられています。それは「魂の目」を持って対峙しなくては、決して自覚できるものではありません」
大畑さんは、日本人の可能性を示して次のように言う。
「日本には、平安時代に「和魂漢才」で唐に学び、明治維新では「和魂洋才」で西欧文化を導入して見事に消化吸収、日本人の血肉と化した民族の力があります。きっと「魂の自覚」を求め促す芸術であるクラシック音楽の本質を受け止めてくれることでしょう」
現在、大畑氏は、そのクラシック音楽への情熱をかけ、次の時代の到来に向けTom-net福岡(トーサイ・ミュージック・ネットワーク福岡)プロジェクトを推進している。
