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by jmc_music2001jp

VierWeg楽典『上級1』第4章(様々な音階:メロディーの彩り)

VierWeg楽典『上級1』第4章【平行調・様々な音階】

(1)自然的長音階と自然的短音階
 ある音を主音とする長音階は自然的長音階と呼ばれ、3度下に短音階(自然的短音階)が作られます。長音階と短音階の違いは主音から第3音までの音程から生まれます。長音階長3度(全音2)の音程、短音階短3度(全音1+半音1)の音程、この音程の差がそれぞれのメロディーに異なる印象と傾向を与えます。

(2)和声的短音階と和声的長音階
 長音階の第7音は<導音>と呼ばれ、<半音>の音程差で「主音」に進もうとする性格がとても強い音です。自然的短音階の第7音と主音との音程差は(全音)で、導音の性格は弱い。そこで短音階の第7音に<導音>の性格を持たせる為に臨時記号(♯など)で<半音>高める和声的短音階が生まれます。この時、第6音と第7音の間に増2度(3半音)という音程が生まれ、この音程が和声的短音階のメロディーに独特の個性を与えます。

 長音階の第6音臨時記号(♭など)で<半音>低めることで「第6音→<増2度>←第7音」の音程を生み出し、この独特の個性を加えた音階を和声的長音階と呼びます。

(3)和声的短音階の<増2度>による強い個性を和らげる為に、上行形の第6音を臨時記号(♯など)で<半音>高めることにより「第6音→<長2度>←第7音」の滑らかなメロディー・ラインを得たのが旋律的短音階。下向形では第7音は主音に向かう性格が求められないので、自然的短音階をそのまま使用します。

 長音階において旋律的短音階の下向形の特色(第8音→<長2度>←第7音→<長2度>←第6音→<短2度>←第5音→<長2度>←第4音)を加味させたものが旋律的長音階。下向形の第7音・第6音を臨時記号(♭など)で<半音>低めます。

(4)Molldurモルドゥア)。和声的長音階旋律的長音階は長音階でありながら短音階の色合いおも含んでいます。これらの音階をMolldurモルドゥア)と呼びます。mollはドイツ語で<短調>、durは同じく<長調>の意味。
<VierWeg楽典『上級1』第4章【平行調・様々な音階】>
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by jmc_music2001jp | 2017-12-19 18:04