8月の初旬、<夏のミニ・コンサート>を開催いたしました。ピアノの独奏や連弾、モーツアルトのピアノ協奏曲(全楽章)などが披露されました。中でも今私が最も関心を寄せているのが「家族連弾」です。電子書籍(楽譜版)の「家庭音楽会」シリーズを使用して演奏します。一番の特徴は、「お父さんが指一本で参加できる家族連弾」と言う点。
日本の普通の家庭では永いこと「子供が一人でピアノ教室に通い」「お母さんは、子供の練習のお尻の叩き役」「お父さんは蚊帳の外」と言う状況が続いてまいりました。子供は、一人だけで(意味もわからない)音楽を習わされる苦痛を感じ、お母さんは練習に集中しない我が子のお尻を叩くしか方法が見つからず、そんな様子を横目で見ながらお父さんは蚊帳の外.......。私の知る限り、ズットこんな風でした・・・・。
ある時、研究所の資料室で西洋音楽史の書籍に驚きの事実を発見しました。16・17・18世紀の300年間に渡って、西洋社会では<全ての階級>の人が、一日の仕事を終えると<家庭音楽>を楽しんでいた・・・!<全ての階級>です!最下層の農民に至るまで!・・・「そうかっ!これが音楽が社会に深く根を下ろした原因の一つだったのだ!」....晴天の霹靂です。それまで35年間、音楽の本当の普及に関して試行錯誤し、頭を悩まし続けてきたのですから.....。
そこで「お父さんが指一本で参加できる」シリーズの編曲を思い立ったのです。西洋音楽の珠玉の小品を「家族連弾」で楽しむ......音楽の「本当に美しいもの」を家族全員で作り上げる・・・家族の絆が生まれるだけでなく、音楽その物の「美しさ」を発見できるに違いありません。
<今回の「家族連弾」はシューマン<トロイメライ>、保育園の坊やもピアノの下で出演>

<終演後は恒例の「かき氷大会」を楽しみました>