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by jmc_music2001jp

『吹奏楽の基礎』<理論と実習Ⅱ>

 日本のブラス(特に学生)に共通する<問題点>が存在すると、永年感じ続けてきた・・「リズム」の問題だ。非常に多くのブラスバンドでは、金賞を受賞する団体までもが、共通して『リズムが無い!』のだ。


 細かい音符の譜割りは緻密に演奏するのだけれど、イザその<リズム>となったら、全くの平板の演奏に終始している・・・それは本当に驚くほど<リズムが無い!>。


 歴史的民族的特性が言語にまで影響して、見事なほどリズム感に乏しい感性を育んだ(数少ない例外として「阿波踊り」があるのかもしれないが....)。


 日本は『農耕民族』、「苗を水田に植えつける」作業<ダウンビート>が生命を存えることへの第一歩となる。日本民族のビート感の根源がここかから生まれる。一方西欧は狩猟民族。鎧に足を乗せ、乗馬を乗りこなす膝が生み出すリズムは<アップビート>。<アップビート>と<ダウンビート>、楽譜にはそのような相違を指摘する楽語は存在しない、そのような楽譜を<ダウンビート>の民族が演奏すれば、見事にダウンビートの音楽が生まれることになる。


 しかし、考えてもみて欲しい。例えば役者としてお芝居に出演するとして、京都のお公家さんの芝居をチャキチャキの江戸弁で歯切れ良くこなしてしまったらどうだろう?例えば「遠山の金さん」をコテコテの難破言葉でやってしまったら・・・もうソレはギャグ以外の何物でも無い世界となる。


 民族の持つリズム感、イントネーション、音質などはその国の民族(作曲家)の魂・精神・心情と密接不可分なものであることは自明であろう。そのような部分を無視して楽譜の譜割りの指示を再現することにのみ異常に集中することで事足りるのだろうか?大いに疑問が残る。


 第Ⅱ巻に<リズム>の項目を加筆しようと考えている。果たして<リズム>は何処から生み出されるのか?・・・案外、知らない人が多いのでは無いだろうか。

『吹奏楽の基礎』<理論と実習Ⅱ>_d0016397_20380550.jpg


by jmc_music2001jp | 2023-07-14 20:38