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by jmc_music2001jp

内田光子の《皇帝》

 先日、BSで小澤征爾の特集が放送された。その一日にサイトウ・キネン・オーケストラと共演した内田光子の演奏を聴きました。曲はベートーベンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」。

 近年トンと出会う機会がなくなった精神性の高い演奏。「あ々!まだこう言う人が居たんだ!」と非常に救われた気持ちになりました。

 近年のクラシック界はパフォーマンスの域を出ていない演奏が主流になっているように見受けられます。その原因について(複雑な要素がからんでの結果だと思うし)簡単に論評しては、大きく誤ることになるでしょう。ただ言えることは、「魂」という言葉が世界中で<死語>同然となっているのではないか、ということです。

 「魂」は、物事を左右するその中心から外され、忘れ去られようとしているかのように見えます。代わって「競争に勝ったか?」「売れるか?」などがその中心を占めている。そもそもクラシック音楽は、もっと違ったものを大切にしてきたのではなかったのか?

 内田光子の「皇帝」からは、「音楽」を探し求めようとする<魂の働き>を感じ取るとこができました。内田光子に注目です。
by jmc_music2001jp | 2008-06-12 03:02 | 芸術随想