二つの教会
2008年 07月 18日
世界で3番目に大きいカテドラルを見学。「後世の人々が、我々が狂ったと思うような偉大なる聖堂を建てよう」と、1401年から120年間かけて建てられたということでした。建築時のエピソードによれば、建築資金を募る為に建築資金を拠出すると一区画を一族専用の祭壇として永代使用を認める・・・そんな手法で建てられたカテドラルです(ちなみにサクラダ・ファミリアは全世界からの寄付金や入場料収入で建設が進められています)。
私も数多くの教会を訪れてきましたが、コレほど何も無いスカスカの教会を見たのは初めてでした。何も<感じる>ものが無いのです!それはモウ、見事な程!中央の祭壇などは、下から上まで全面金箔で覆われていて、おかげで鉄格子に鍵をかけておかなくては盗難が心配でならない・・・金箔の祭壇を、鉄格子に入れているのです。
当時はスペインがバブルに踊り狂っていた時代だったのだと思います(おそらく)。金・かね・カネ・「金はあるぞ!」としか見えてこない。何か一つでも心に感じるものでもあれば救われるのですが....無い.........見事な程に!
これに比して、バルセローナで見たガウディの設計による未完の教会、コロニア・グエル教会のスゴさは、正に「天と地」に例えられるのではないでしょうか?ガウディの信仰の強さと深さが聖堂内にみなぎっています。これほどただならぬ霊気に満ち満ちた教会もまた知りません。わずかにバチカンのサン・ピエトロ大聖堂で受けた衝撃に次ぐ<凄さ>を感じました。
ただならぬ霊気に触れながら祭壇を見ていると、コロニア・グエル教会を管理している女性の管理人が「チョット来い」と手招きをします。すでに同行のメンバーが外に出て行ったばかりで、それが気にはなったのですが、何度も手招きするので近づいていきました。するとガウディの設計した礼拝者用の椅子に座って説明を始めました。言葉はスペイン語でしたが、身振り手振りで十二分に意味は伝わってきます。色々と親切に説明をしてくれて、別れ際に握手をしました・・・その瞬間、何故か「想いが繋がった!」・・と感じました。
親切と言えば、最初に「堂内は撮影禁止だが、日本人はOKだ」と許してくれたのもこの人。日本人は信用されている・・・これは、私の留学中からずっと今日に至まで様々な場で体験したことです........一番大切な財産かもしれません。
<上/コロニア・グエル教会の祭壇。下/セビリアのカテドラルの祭壇>
