巡り来る“季節”
2009年 04月 13日
前例の無い事を進めようとすると、事前に様々な局面からの検討が必要となり、切りがないほどです。これまでの人生経験を総動員して、考えられるあらゆる局面を想定し、その事態にどのように対応するべきか検討を進めます。
斎藤秀雄先生の晩年、オーケストラの時間に先生はこのように話されました。「僕がやったのは常識教育ですよ」・・・この言葉は非常に強く印象に残っています。昨日秋山さんは、この言葉について「一つは<音楽の常識>だし、もう一つが<社会人としての常識>だ」と話されました。
<トーサイ・ネット>を構想する時に「一流の音楽家を育成する」ことが<斎藤秀雄の理念の継承>に繋がると考えて進めてまいりました。しかし<社会人としての常識>を教え・訓練することに関しては、未だ考慮されてはいなかったのです。
この領域は《クラブ・アンティミテ》の活動の中に織り込まれなくてはならないことでしょう。どうするのが、最も自然にしかも確実に<斎藤秀雄の理念の継承>を果たすことに繋がるのか・・・当然の事ですが、課題は重い。
企業は、大学生が在学中に<社会常識>を身に付ける事については、とっくの昔から、全く期待などしていません。入社試験で選抜した学生に対し、<新入社員研修>の場においてそれ等を教え・訓練いたします。一方、音楽界では、大学においても社会においても、それ等を教え・訓練する場は皆無と言うのが現状です。
斎藤先生が重視した二つ目の<常識>について、我々の活動がその理念を継承できなければ、この事業が完結しないことは明らかです。何をどこまでやれば「理念の継承」と呼ぶに相応しいのか・・・残る課題に真正面からシッカリ取り組んでまいりたいと思っています。
シッカリ考えるには、自然環境の良い場所が一番。四王寺山中腹の東屋にパソコンを持ち込んで、仕事することにいたしました。途中、藤棚の藤が綻びはじめているのを発見、かんばしい薫りが五月を予感させてくれます。又、東屋に登る手前でも、“つつじ”の蕾みと花を発見・・・巡り来る“季節”を感じました。
<藤棚の藤も綻ぶ。東屋・自然に包まれた仕事場>