散歩の道すがら【2】 『藍染川』
2009年 05月 08日
この藍染川には私自身も少々かかわりがあって、特別な想いをもってしばしば訪ねています。史実にもとづいた民話「藍染川」を台本に、音楽作品の創作に関わったことがあるからです。筑前琵琶のソロを伴った室内アンサンブルと、ソプラノ・バリトン独唱そして女声三部合唱による『藍染川』。作詞は一丸章(H氏賞受賞の詩人)、作曲に香月修(桐朋学園作曲科教授)。
物語は太宰府の神官<頼澄>が京都に居た頃に“ねんごろ”となった京女<梅壷>が、幼子の手を引いてはるばる太宰府まで<頼澄>を訪ねてくるところから始まります。
太宰府の<頼澄>の本妻は、「会わせてなるものか!」と<梅壷>を追い返します。悲嘆にくれた<梅壷>は、その身を藍染川に投げてしまいます。人だかりを不審に思った<頼澄>がのぞいてみると、それは何と!変わり果てた<梅壷>ではありませんか!本心から悔いた<頼澄>が一心に天神様に祈ると、<梅壷>はその息を吹き返しました。
その蘇生の場所には石柱に囲まれて「石碑」が建てられています。その写真をアップしておきましょう。藍染川は石碑の右上からぐるっと石碑を廻って左側へと流れています。時々この場所を訪れ、その時代・その時を偲んでいます。
<梅壷蘇生の碑>
