jmc音楽研究所がクラシック音楽に貢献できる活動の一つとして、<インターネット>を如何に活用するかが大きなポイントとなるだろう。昨年より準備を始めた<音楽家専用ホームページ制作サイト>の運用準備は、8割方が仕上がってきた。
このところ、サイト・デザインをどうするかで暫く頭を巡らせていて、随分と時間がかかってしまった。本日、デザイン制作に取り掛かり、姿が見えてきたように思う。「シンプル」で「分かりやすい」デザイン、そして使い勝手の良いもの・・Macのように<シンプル・イズ・ベスト>でなければならないのだ・・・それが見えてくるまでは、簡単ではない。
さて、これから数年は<インターネット>の活用の道を模索することになるだろう。これを自分の『道楽』にしてしまうのが、一番いい方法かもしれない。
新年明けましておめでとうございます。2017年、快晴の新年が明けました。この一年が、皆様にとって素晴らしい年となります様に、お祈りいたします。
1月7日刊行の2017年度〔最新版〕《ヒットの予感》が送られてきました。記事を転載して新年のご挨拶といたします。
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《ヒットの予感2017》「プロフェッショナルに聞く」
音楽家を社会につなげる 日本クラシックのエントランス
<日本のクラシック音楽現状打破と新しい取り組みで心豊かな社会へ>
西洋音楽の歴史は1400年。日本は明治維新で西洋音楽を導入してから僅か140年。今日、日本の音楽家の実力は世界レベルに達しているが、アート・マネジメントが十分に機能していないという問題が残る。音楽家と社会を繋げる仕組みを追求して35年、今取り組んでいるのがインターネットを活用したマネジメント・システムの構築だ。音楽家のネットワークを立ち上げ、ネットを介して社会と繋げることで新たな時代を築きたい。
今日、クラシックはまだまだ日本人の心に浸透しているとは言えない。しかし最近、17世紀から三世紀の間、ヨーロッパ諸国の全ての階級の人々が、それぞれの家庭で室内楽を楽しんでいたと言う事実を発見した。アンサンブルほど<音楽の喜び>を与え<人の絆>を強くするものは無い。西洋に音楽が深く根付いた原因の一つがここにあると思う。
国の調査によると、音大卒や吹奏楽経験者などの「楽器演奏者数」が全国に1,091万人、その大半の人が「演奏する場」が無く、「演奏の楽しみ」から離れている。ヨーロッパに300年間に渡って浸透した<室内楽を楽しむ環境>を、日本において復活させる潜在的なニーズとなりはしないか。
SNSを立ち上げ、アンサンブルを呼びかけ、音楽の真の喜びの輪を全国に広めては行けないだろうか。インターネットには、昔には考えられもしなかった事を、世の中に実現させてしまう力がある。それは世界情勢や社会変革の様子を見ていても十分に感じ取れるだろう。
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大学の音楽学部に進学したKさんも演奏してくれました。リストの「エステ荘の噴水」、演奏で成長の姿を見せてくれるのが、指導者としての最高の喜びです。
発表会の後は、ケーキやジュースを頂きながらの懇親会。音楽や美術のクイズをして遊びます。実技や聴音・楽典・和声の授業は普段にできますが、音楽史や音楽一般・美術等に関して教える時間がありません。冬のミニ・コンサートの懇親会に<クイズ>として遊ぶ時間を持つことで、音楽・美術関連の一般教養の知識を伝えるチャンスが生まれます、大切な事だと思っています。
<発表会デヴューのOちゃん>



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〝第110回jmc音楽サロン〟は出演者を囲んで、いつものサロン・メンバーで楽しい語らいの時を過ごすことができました。サロンのメンバーは〝jmc欧州音楽の旅〟のメンバーでもあります。23年続く〝jmc欧州音楽の旅〟を振り返ると、話は尽きません。あれほど心を開いた、心温まる交流の時が過ごせると言うのは・・・人生で他にはございません。この仲間は〝人生の宝〟ですね。『大切にしなくては....』と思います。
<『音の星座』Vol.Ⅶ、シューマンのピアノ・トリオNo.1>

旅行のDVDは昨晩(深夜)に完成させました。これで一段落、ホッとしています。今回のビデオ編集は前回のフランスより少しだけスムースに進んだように思います。何しろ前回は1ヶ月半の間、外出もせずに編集に没頭したわけですが、今回は約1ヶ月で完成させることができました。それでも278カットを編集、「ワルシャワ」「ウィーン」「ザルツカンマーグート」「ザルツブルグ」全4巻をそれぞれ60分以内で編集しなくてはなりません。随分と苦労した部分もありましたが、旅そのものを彷彿とさせる良い作品に仕上がったと思っています。
<DVD.Vol.1「ワルシャワ」、Vol.2「ウィーン」>

<DVD.Vol3「ザルツカンマーグート」、Vol.4「ザルツブルグ」>

モーツアルトの生家はチェック済み。大聖堂(ドゥオモ)に続いてレジデンツ(宮殿)へ、ザルツアッハ川のモーツアルト小橋を通って対岸のベンチで昼食をとりました。その後はマリオネット劇場やモーツアルテウム音楽院を経てミラベル庭園へ。ここでは多くのメンバーと出会いました。ミラベルの前のモーツアルトの家を確認すると、リンツァーガッセに入ってカプツィーナ修道院に登りました。ここはザルツアッハ川を挟んだ対岸の景色、旧市街とホーエン・ザルツブルグ城の絶景が望めます。
<旧市街とホーエン・ザルツブルグ城、左にはノンベルク修道院>

丘を下りて、カフェで休憩。その後は、二人でのザルツブルグ探訪に送り出しました。夜はザンクト・ペーター・シュティフツ・ケラーで夕食。食事の後は、名物のザルツブルガーノッケル(甘かった!!)。
27日、ザルツブルグ空港からフランクフルトを経由して、日本に向かうルフトハンザに乗り込みました。28日はお昼に羽田到着、東京組のご夫婦と宮崎に帰るメンバーとはここでお別れです。14時10分発のANA福岡行きに搭乗、16時に無事福岡空港に着陸いたしました。
<無事帰国、福岡空港で>

私が我々の旅に必ず一度は織り込む<ピクニック・ランチ>(今回は朝食だけれど...)は、その国の空気に肌を触れながら、風景につつまれてゆっくり食事をすることで、その国の人の<想い>や<感覚>に出会って欲しいと願うからです。満開の桜の麓でお弁当をひろげて「あ々!日本人だなぁ!」と実感するように、(日本人とは異なる)その国の人々の<感覚>に出会う切っ掛けになることを願ってのことです。(時間の節約とは話が違うでしょう)
私の3年半の留学経験の折に触れ、日本と欧州との違いを実感して、<民族性>とは何か、<感性>とは何か、<文化>とは何か、<精神性>は何処に由来するのか、<自覚>とは何か、<芸術>とは何か・・・等々、多くを考えさせられ、沢山の《気付き》を頂きました。それに近い体験と気付きに、この9日間と言う短い時間で出会って欲しい・・・と言うのが、旅を企画する動機につながっています。
<ノンベルク修道院のお御堂の中、“祈り”が流れる>

私の音楽生活のターニングポイントとなったのが<ノンベルク修道院>の<夕べの祈り>です。ですから、ザルツブルグを訪問した折には、必ず皆さんをご案内することに決めています。今回の旅に初参加した男性は、一部上場企業の役員を務める現役のサラリーマンですが「人生観が変わった」とおっしゃってくれました。<夕べの祈り>に触れて、人生で初めて涙を流したそうです。この旅の日程の至る所に<人生観を変える出会い>の機会があったと思います。
<旧市街の教会と街並み、鐘・鐘・鐘が鳴り響く・・・>

今回、仕事の都合で止むなく途中で帰国した男性メンバーも、23年前の第1回に参加して、やはり「人生観が変わった」とおっしゃっています。彼は当時会社社長で現在は会長職を務めておられますが、仕事でどうしようもない場合を除いて、その後のほとんどの旅に同行いただいております。
<丘を散策、ザルツブルグ城の絶景と旧市街>

お二人の感想に共通していたのは『美しいもの』『優美』と言う言葉でした。<真実>は<美しい姿>をしています。クラシック音楽において、どうすればこの《姿》を日本に浸透させることができるのか・・・私にとって35年のアートマネジメントの課題はこの一点につきます。それについて、未だに苦闘する毎日が続いています。
<アウグスティーナ・ブロイ、庭園の樹の下で>

今回、我々の教室の(すでに結婚している)二人の卒業生が、初めて参加してくれました。体験すれば必ず<出会えるもの>がある、そう信じて旅程を組んではいるのですが、果たして二人にとって感動の連続で、人生の大転換点となってくれたようです。「今まで《感動》と言うものを知らなかった」・・・嬉しい言葉です。
<大聖堂での祝日のミサ。泣き出した二人、何かに出会ってくれたようです>

ザルツブルグに到着し、丘に建つノンベルク修道院のすぐ下で下車したのですが、登り口がはっきりしません。結局、随分と遠回りして丘への登り口を見つけました。修道院まで続く石段を登りきり、丘の反対側に回り込んで修道院の入り口にたどり着いたのは3時45分頃。薄暗いお御堂の椅子に腰掛けて『夕べの祈り』を待ちました。この修道院は映画「サウンド・オブ・ミュージック」で<マリア>が居た修道院で、家庭教師のマリアを尋ねて子ども達が修道院を訪れ、入り口の呼び鈴を引っ張っていた場面を覚えておられるでしょう。
4時前、背後の2階に物音がして、修道女が集まってきたのが分かります。何しろ修道院ですから、外部の人と接することの無い2階の部屋でのお祈り、それがお御堂の中に流れ込んでくるのを聴かせてもらうのです。柔らかいオルガンの音が流れ、《祈り》が始まります・・・それは「音楽」でも「歌」でもなく・・・唯ひたすらに《祈り》です.....。私にとっては、『魂の故郷』に帰り来た想いでした。
終わった後は旧市街が見下ろせる中腹の道を緩やかに下ります。ほぼ降りきった場所に、ホーエン・ザルツブルグ城へ登るケーブルカーの乗車口。そのケーブルカーでお城まで、これから丘の上の道をザルツァッハ川の下流方向に、丘の終わる地点まで散策します(ところが城内の道が複雑でウロウロ。お城の中をほぼ一周してようやく外の道に出ることができました)。
丘の上の散策は、およそ1時間程のものでした。途中では、石段を下ったり、さらに上がったりと、かなりの健脚コースではありました。しかし背の高い木々の下を綴る道や、時折眼前に広がる旧市街の美しい町並み、教会が打ち鳴らす鐘・鐘・鐘の響き、突然現れる絶景ポイントからの、ホーエン・ザルツブルグ城を中心とした文字どうりの《絶景》!!夕食会場のアウグスティーナ・ブロイまでの散策を十二分に堪能いたしました。
アウグスティーナ・ブロイはこの丘の散策の終わる地点にあります。旅行者の来ない、地元の人に人気のビアガーデン。ここのビールは“病みつき”になるほど《美味い!》のです!!ここで席を予約して、ビールだけを注文すると、食事は我々が売店で直接にチョイスして運びます。何か美味いかはヨーーク知っているので、必ずこうすることにしています。
皆で《美味しい!おいしい!》と食べて、呑んで。大いに満足すると、市バスに揺られて旧市街に帰り、ゲトライトガッセの<ホテル・ゴルデナー・ヒルシュ>にチェックインいたしました。明日は自由散策です。
<(上)“夕べの祈り”の後、散策途中の下流方面絶景、(下)城の絶景ポイント、城を背景に>

<白馬亭前での全員の記念写真>

昨日の小雨の影響で、曇りではありますが気温は非常に低く、シャーフベルク山頂での防寒が気になるところです。メンバーはコートやダウン・コートで万全の準備ですが、私はと言うと僅かに重ね着をした程度の軽装、借りたスカーフを首に巻いての出発でした(内心「ダイジョーブかなぁ〜」...と思いつつ・・・)。
シャーフベルク山への登山鉄道はアプト式、二本のレールの中央に機関車の馬力を伝える歯車を受け止める為の(溝のえぐられた)もう1本のレール。創設当時は石炭を燃やしていたそうですが、近年は環境を考えて軽油を使用しているらしい。しかし始発駅の隅には石炭の小山が残されていて、チョットした演出も。
列車はゴツゴツと音をたてながら、急な斜面を登ってゆきます。昨日の雨の影響で、雲に包まれた山肌から時折麓の湖が顔を覗かせます。山頂の周辺は雲に包まれて、自慢の360度の眺望は残念ながら望めません。それでも山頂そのものが霧に包まれることもなく、頭上から雲を通して届く太陽の光が、暖かくさえ感じられました。
山の斜面のベンチを選んで、朝食をいただきました。持参した保温ポットに入れてもらったホット・コーヒーが、身体の中心に暖かい空間を生み出してくれます。日本で予想した<ホット・コーヒー作戦>は大正解であった訳です。(これが無かったら、その日の山頂の朝食は、かなりの寂しさと孤独感に包まれたものになっていたかも知れません)
食事が終わる頃から、段々と雲が晴れて陽の光が射し、下界の風景や遠くに白く輝くオーストリア・アルプスが見えて来ました。「オーィッ!!見えてきたゾォーッ!!」。下から感動した声が聞こえてきます。そろそろ1時間、下山する列車の時間がせまっておりましたが、感動が最後にあって、展開としては良かったのかも知れません。
下山すると、遊覧船でザンクト・ギルゲンまで湖上のクルージングです。お天気は完全に回復し、強い日差しの中、35分程でザンクト・ギルゲンに到着いたしました。ここはモーツアルトのお母さんの故郷で、広場には幼少期のモーツアルトがヴァイオリンを弾いている像も建っています。
ここで昼食をいただいた後、専用バスで一路ザルツブルグへと向かいました。
<(上)登山鉄道の機関車、山頂で、(下)ザンクト・ウォルフガング湖、ヴァイオリンを弾くモーツアルト像>
